「いただきます」 貧相な食事。 「いんちきチャーハン」と手で千切ったレタスだけのサラダ。 三人とも、無言で「トトロ」を見ながら、それを頬張る。 雨は激しさを増し、部屋の中の湿度はさらに上がり、僕らの体にも湿気が、寂しさと共に纏わりついていた。 その時だった。 携帯電話の着信音が聞こえる。 僕の携帯の音。 行く予定の、柊の地元のテーマパークのウサギの音。 約束の証に柊が無理矢理設定した音。 柊の着信を知らせる音。