「また、そがんか目(そんな目)で見る……」 「行こう」 柊は僕が目を逸らさないのを知っている。 シズカさんの影響なのか遺伝子なのか、僕は、人と話す時に目を逸らすことが出来ない。 これのせいで、いわゆる上下関係において、大分ひどい目にあったこともある。 目を逸らさないのは失礼だ、と。 だけど、今は便利に使える。 何か言葉を弄さなくても、僕の真摯な気持ちは柊には伝わる。 まあ、逆に嘘をつく時は目を見ることが出来ないのでバレバレなんだが。