乙女ときどき予知者 Ⅱ




違ったらだだの恥ずかしい子だな。



梓はコクリと頷いた。



俺は唇から手を離し、今度は流れる涙を拭いた。


『梓は俺の初恋で俺のそばでこれからも笑っててほしい……俺と付き合ってくれますか?』



「あたしも初恋だったよ……これからいっぱい笑わせてよ」



そう言って君は涙を流しながら笑った。



俺は梓を抱き締めた。



優しく愛しい君を。



体を離し、俺たちは見つめ合った。



そして、唇と唇が触れあう。



それを終えるとまた見つめ合ってクスクスと笑い合った。



まるで俺達の秘密のお話のよう。



いや、俺たちだけの夢の話―……。