俺は自分の部屋のベランダにいた。



12月だけあって寒い。



そう思っても部屋に入らないのは、頭を冷やすため。



せっかく記念になるなら、って思ってこの日を選んだ。



12月24日。



カップルが喜ぶこの日が別れを告げる日になるとは。



俺は梓の笑顔を見たかった……これからも―……。



俺はあることを気づいた。



俺は梓を笑顔にできたか。



―……♪♪〜〜♪♪〜♪〜




いきなりケータイがなってビクッと肩が飛び上がった。



画面には宙の名前が。



『あーもしもし?』