「梓、ごめん……」



―……バタン。



真士はその一言を残して部屋から出ていった。



廊下からもないも音が聞こえくなった。



あたしは外が気になって、カーテンを開けず、カーテンと窓の間に潜り外を見た。



すると、さっき出ていった真士の姿が見えた。



彼を見ているといきなり振り返って、あたしは慌てて頭を下げた。



なんで隠れてんの?



今なら間に合うって思ってるのに、意地を張る自分がいた。



まだ今ならこの気持ちが伝えられるかもしれない……。



そう思うのにあたしは隠れたまま時間が過ぎた。


もう行ったかな?



あたしがもう一度頭を出すと自分の家に向かって歩く真士の姿があった。


窓から見えなくなるまで彼の背中を見つめていた。