乙女ときどき予知者 Ⅱ




―……ポチポチポチ。



ゲームの音だけが部屋に響き渡る。



ヤベー!!



なんか言わねーとっ!!



『好きなやついんの?』


「……は?」



なんつー切り出し方をしてんだ……俺っ!



「いきなり、何?」



まぁ、そうなりますよね!!



『あっ、いや!別にクリスマスだし、なんとく……』



徐々に小さくなる自信をなくす声。



「……ヒミツ」



テレビ画面を見たまま答える梓。



『なんだよ、それっ!』


ずりー答え方!?




俺は画面から目を離し、梓を見た。



すると、ニタリと梓が口角を緩ませた。



「このあたしの前でよそ見なんていい度胸じゃん」



『えっ?』



【Lose】と【Win】を映し出す画面。



『あーっ!?なんてことをぉ…!』