「そのわりには彼女いないよね」 梓の一言にドキッとした。 そりゃ梓が好きだから……。 他の女子に告白されても胸は痛むけど……。 嬉しくはない。 『あはは……』 誤魔化すしかない空気。 「俺ちょっと販売機」 宙が販売機を指してそう言った。 『お茶』 「ココアー」 俺たちは当たり前のように飲みたい飲み物を言った。 遠回しに奢れと言ってる。 誤魔化せたはずの空気がまた帰ってきた。 「ねー好きな人はいないの?」