乙女ときどき予知者 Ⅱ




「そのわりには彼女いないよね」



梓の一言にドキッとした。



そりゃ梓が好きだから……。



他の女子に告白されても胸は痛むけど……。



嬉しくはない。



『あはは……』



誤魔化すしかない空気。


「俺ちょっと販売機」



宙が販売機を指してそう言った。



『お茶』



「ココアー」



俺たちは当たり前のように飲みたい飲み物を言った。



遠回しに奢れと言ってる。



誤魔化せたはずの空気がまた帰ってきた。



「ねー好きな人はいないの?」