―……ガチャ。



「……心奈……入るよ。」



『……しぃー』



あたしは口の前に人差し指を添えた。



「……あれ?寝てるんだね佐藤クン」



『うん……』



あたしは彼を見て頷いた。



可愛い寝顔を他の人に見せたくないなー……。



だけどアンタだから許すよ。


声の主は麻理菜だった。


悠樹を起こさないように小声で話す。



『麻理菜。悪いんだけどそこのカーディガン取ってくれる……?』



「いいよ」



麻理菜がなにやら嬉しそうにカーディガンを持ってきた。



『どうしたの?ニヤニヤして』



「いやーやっぱり二人はお似合いだなぁーって……」



えへへって麻理菜は嬉しそうに言った。