あたしは安心して眠りについた。



―……。



目が覚めたのは夕方頃だった。



空を見たらオレンジ色だった。



だいぶ熱も下がった。



これなら明日は行けるかな?



あたしは右手に違和感を感じた。



―……クスッ。



右手を見ると思わず笑みがこぼれた。



あたしは身体を起こし、空いた左手で彼の髪を撫でた。



『……なんでアンタまで寝てんのよ』



悠樹は手を握ったままスースー寝息をたてて眠っていた。



―……コンコン。



小さくドアが鳴った。