生まれたての放課後。のレビュー一覧
5.0
彼は、やさしくて、人が集まって、思いやりのある人だった。
だけど、わたしは見てしまった。
窓の外を見る、彼の寂しそうな横顔を。
「…わたしが、許すよ」
不安定な、寂しい、悲しい、宏くんを
優しい、暖かい、わたしの恋が温める。
寒い冬に、冷たい過去を、二人で温める。
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KIMORIが原作ということで、「さすがだなぁ~!」と納得しながら読ませてもらいました。
世界観が、KIMORIそのもの。
そして、青春をかくにはもってこいの颯希の文章力がその世界をひきたてている。
すばらしいコラボレーションだとおもいます。
「宏くんを、わたしが許す」と言った、ちとせちゃんのこの一言がとても好きです。
とても、あたたかい。ほっこりする。
これから、二人は幸せに手をつないで二人で歩んで行って欲しいです。
とても、すてき。
ぜひご一読を。
あの日、消えてしまいそうな彼をつなぎとめるように、彼の名前を呼んだ。
「……茶倉になら、いいかもなあ」
白くて、やわらかい雪が降る中。
そうつぶやいた彼の口から紡がれたのは、思いもよらないくろくてにがい過去の話。
だけど、でも。
そんな彼を、あたためてあげたいって、思ったの。
そんな彼でも、すきだなあって、思ったの。
ねぇ、だから。
君が凍えてしまう前に、わたしもそれを、背負っていきたい。
自分のことが許せない君を、わたしが代わりに許してあげたい。
いつか大人になって、“あのときはこどもだったな”って、笑えるときが来る日まで。
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寒い冬に、心がほわんとあたたかくなるお話です。
新しいふたりが生まれたばかりの放課後を、ぜひ1度、覗いてみてください。