「じゃあ、もう一回あーんして?」
そして、もう一回口を開けると
また自分でうどんを食べた。
「またそうやっていじわるするー」
「口開けたままにしてたら、食べられるよ?
僕が茉莉にうどんをあげたら
そのまますすって食べちゃってねっ」
そう言ってまたうどんを口に含む智哉。
何をしようとしているのか…
とりあえず、口を開けて待ってみる。
待っていると智哉の顔が
だんだん私の顔に近づいてくる。
「…智哉?」
「んっ」
そのまま、智哉の口の中のうどんを
私の口の中にすっと入れてきたので
すすって食べた。
「おいしいっ?」
「もぉーっ。おいしいよ」
「じゃあ、次はこっちね」
ニコニコ笑って、
今度は智哉がスープを口に含めようとした。