「あーちょっと待ってよー。
おいていくなよー」


私が早足で先を歩いていると
私に合わせて隣を歩いてくる。




「そんな早足で歩いて、何急いでるの?」




いや、隆人から逃げたいだけです。

そんなことは言わず、早足で歩き続けた。


「そんなに急いでるなら
お姫様抱っこしていってあげるよ?」

「大丈夫大丈夫」




さらっと受け流すと
また隆人が言ってきた。



「じゃあ手
『繋がない!』

「まだ最後まで言ってないのに…」

「じゃ、私先に行くねっ」




しょげている隆人をよそに
私は学校へと向かった。






「あっ、茉莉!」

教室に着くと比奈乃がすごい勢いで
こちらへ向かってきた。


「ちょっとちょっと!どういうこと!?」

「いやいや、何が…?」




あまりの比奈乃の勢いに
ついていけない。

これもまたいやーな予感がする…