3人がいなくなったからか、
風がいつもよりも強いにも関わらず
やけに静かだった。
5人と過ごす時間には
慣れているはずなのに、
少し緊張している。
だから私はじっと
フェンスの外の景色を眺めていた。
「茉莉!」
春馬が私の名前を呼んだ。
春馬の方に振り向くと
智哉、宏斗くん、良憂ちゃん、
春馬、隆人の順に横一列で並んでいた。
「俺たちは、確かに最初
同じ人を好きになれるかっていう
軽い実験のつもりだった」
「だけど、いつの間にか
茉莉も俺たちの誰を好きになるか
そこが気になり始めた」
春馬と隆人がそう話し出すと、
他の3人も口を開いた。