病院へ搬送されると、
茉莉は大量出血していたので
弾丸の採取や輸血を行うことになった。




廊下で待っていると、
1人の看護師が目の前に現れた。



「どうも、茉莉の母親です。
突然で申し上げにくいのですが…」





そう、搬送された病院は
茉莉の母親が働く病院だった。


しかし、かなり深刻な顔をしている。



「どうなさいましたか?」


良憂ちゃんが話すと、
母親も話を切り出した。


「茉莉の血液型はとても珍しいんです。みなさんと一致する人も、
病院にある血液とも一致するものはありません」







その言葉に、声も出なかった。




「茉莉は、もう助からないんですか」


宏斗くんが悲しそうな声で
そう聞く。



しかし、返ってきたのは
意外な言葉だった。







「いや、手はあるのよ」