「ここ、学校だよ?」

「誰もいないから大丈夫」


そんなこと言われても…



「急にどうしたの?」


私がそう問いかけて鏡を見ると
映る顔は、とても悲しげな顔をしている。



「聞いたよ、手紙のこととか」


あ、それで悲しい顔してるのか…

するとまた隆人話し出した。



「俺は、茉莉の家族も茉莉も絶対に守る。
あんなやつには何もさせないから。
茉莉になんかあったら本当に嫌だから」

「そう言ってもらえて嬉しいよ」



優しくそう返すと、微笑んでくれた。

そのまま隆人の方を向かされ、
じっと目を見つめてくる。



「キス、していい?」

「え、ここ学校だし…」

「だから、誰もいないから」


そしてそのままキスをされた。


ーーーちゅーっ


少し長めの甘いキスの音が、
静かな廊下に響いた。






─────その時、人に見られていたなんて…