「お待たせ!」
お店の外の柱に
もたれ掛かっていた宏斗くんの肩を
ポンッと叩いた。
「うん!いいもの買えて、よかったね!」
「宏斗くんが来てくれたおかげだよ!」
えへへ、と照れている宏斗くん。
すると突然、何かを思い出し言った。
「あのさ!こないだいい喫茶店見つけたんだ!すぐそこだから行ってみない?」
「あ、行きたい!!」
私がそう言うと、嬉しそうに笑みを浮かべた。
「じゃあ、手つなご?」
そう優しく手を差し伸べてくれたので
手を繋いだ。
ぎゅっと握り返してくれる手は
大きくて、温かかった。
「かばんとか重いでしょ?持ってあげる」
「あ、でも…」
ひょいっと私の荷物を全部持ってくれた。
宏斗くんは、みんなの前では
大胆なことはしないし、
彼氏っぽいこともしないから
お兄ちゃんって感じだった。
本当はこんなに、男らしいんだね。
そんなことを思っていると
喫茶店についた。