>>サクラさんが入室しました。
毎度お馴染みのその言葉によって、私の存在がメンバーに知らされる。
フジヤマ＞こんばんみー
ユージ＞いらっしゃーい
YUKI＞サクラちゃん待ってたよー♪ 私一人じゃコイツらの相手は無理ｗｗ
とあるチャットサイトの、とあるスペース。
『高校生ルーム８』は、私たち４人がいつも集まっている場所だった。
サクラ＞こんばんわー＞ALL
慣れた手つきでキーを打ち、YUKIの文字を見て密かに笑う。
チャットのログを見ると、ユージとフジヤマがアホなことを喋っていたことがわかる。
で、YUKIはそのツッコミ役。 でも、ツッコミ役が追いつけないほど、二人はボケていた。
「これじゃあ確かに大変だっただろうなぁ」
パソコンを前にして、私はふふっと笑う。
サクラ＞ユージもフジヤマも、いい加減にしないとYUKIが死んじゃうよ？（笑
ユージ＞YUKIは不死身のゾンビだから大丈夫だよｗ＞サクラ
YUKI＞ちょっとユージ、か弱い女の子に向かってなんてことを!!
ユージ＞どこがか弱いんだｗ＞YUKI
フジヤマ＞そーだそーだ!! ２０歳のババァめ!!
YUKI＞心は常に１６歳だよ!! ていうかババァはさすがにヒドいでしょっ＞フジヤマ
フジヤマ＞じゃあおばあちゃんで♪
YUKI＞たいして変わってないしｗｗ
自動で更新されていく画面を見て、私はまた一人で笑った。
