ブラッドサースティ・キラー

「――お前も、俺のことをちゃんと理解していないクセに、そんなことを言える立場じゃねェよな」


 冷たい、地を這うような声音に、思わず身震いをした。

 僕のことは殺さないって言っていたから、調子に乗ってしまっていたのかもしれない。

 変に刺激はしないようにしないと……。


「おい!皐月!」

「なにっ?」

「お前……――」


 その瞬間、視界がぐわんぐわんと大きく揺れ、思わずしゃがみ込む。

 大地が何か言っているようだけれど、何を言っているのかちゃんと聞き取ることが出来ない。

 口の動きだけで分かるはずもなく……僕の意識は一瞬だけ遠退いた。

 次に目を開けて大地を見た時、僕は目の前の光景に目を見開いた。


 ――大地が……大地の喉が……パックリと横に切れていた。


 そこから真っ赤な血が噴水のように飛び出ている。