ブラッドサースティ・キラー

 どんな仕打ちが待っているのだろうかとドキドキしていると、那ヶ真先輩はそっと口を開いた。


「頭を怪我したと聞いて焦っていたが、命に別状がないならよかった」

「心配、ありがとうございます……」


 あれ?もしかして、3年生代表としてお見舞い……にきてくれたとか?

 それにしては今は夜だし、僕がここにいるっていう情報が回るのが早いような気がするし、……あれ?そういうわけじゃないかな……。


「様子を見に来ただけだ。それじゃ」


 そそくさと去ろうとする那ヶ真先輩に対して、僕は慌てて引き止めた。


「那ヶ真先輩!」

「……『先輩』?」

「ああ、いえっ。1つ年上なもので……。じゃなくて、どうして那ヶ真先輩は僕のことを知っているんですか?」