なにもかも真っ白なそれは、綺麗な山田
君の金髪によく映える。もちろんドレス
だって、裾がふわっとしてるお姫様みた
いなのじゃないから普通に似合うし。
THE☆天使って感じだ。
「くっそこっち戻ったら強制的に変えら
れんの忘れてた……!」
真っ赤になりながら悔しそうに吐き捨て
る山田君。
そういえば人間界に居たときも、なにか
と洋服の事について触れられるのを嫌が
っていたっけ。
「別に良いじゃん。天使っぽいよ山田君
」
「やだよ!こんな女みたいな服!!」
まあ確かに男っぽくはないけど。
山田君、美形だから、ヴィッグとか被っ
たら多分超美少女だけど。
「ていうか、私、どうやってここに来た
んだろう……」
ここに来る前に、見たこともない狐の格
好の男の子がいて、いきなり目の前が眩
しくなったのは覚えてるけど──。