この庭はなんだかさみしげだった
それはここに吹く冷たい風のせいか
それとも薄暗い空のせいか

サヤが屋敷の大きな扉を開ける。

屋敷内も大きくて広い。
長く迷路のような廊下を進む

やがて一つの部屋の前に止まる。

「この中でシアン様がお待ちです。
シアン様はこの屋敷の主であり
次期に妖しの王となるお方です。
くれぐれもご無礼のないよう。」

そういって一礼すると
分厚い部屋のドアを開ける

部屋は屋敷の中央部にあるのだろう
室内は円のような作り
奥の椅子に座るもの
あれがシアンだろう。