私が大学生になる頃には、父の関心は完全に私から離れていった。 私より、家督を守ることに従事していたのだ。 はじめから期待なんてしてなかったけど、ついに私は親からまともな愛情を受けることはなかった。 大学の2年になったある日、とある噂を聞いた。 雪村昴という人物の噂を。 一目見たときから、あの諦観したような目を見て不思議と興味がわいた。