あっという間に息が続かなくなり、苦しさから思わず口を開くが入ってくるのは海水ばかりだ。 もがくうちに海水が体を浸食し、身動きがとれなくなる。 ふと昴の方を見ると、彼も息苦しそうにもがいていた。 自分より体力の少ない彼ならこのままでは窒息して死んでしまうかもしれない。 水谷は昴の腕をつかみなおし、水面へ上がろうと必死に足を動かした。 だが波の影響で、いくら動かそうともすべて波にさらわれてしまう。