「想汰さん!!」 船内案内図を見ながら二番デッキに辿り着くと、なぜか濡れている想汰がいた。 想汰はあからさまに不機嫌そうな表情をしていたが、昴の姿を確認するとある程度表情を緩めた。 しかし彼のそばに寄り添うようにいる亜希子を見ると、また表情を曇らせる。 「…雪村。安部も一緒だったか。最近仲良いなお前ら」 「え…あーまぁ、偶然かな?」