「じゃあ、パパもう行かないと。ちゃんと戸締りするんだよ。行ってくるからね。あー、そうそう。千夏も来てくれるから」


―パタン―


パパは言いたいことだけ言うと、家を出て行った…。


最悪だ…。


こんなことなら、再婚反対すればよかった…。


なんて、わたしはヒドイ娘かな。


普通に優しいお兄ちゃんだったら大歓迎だったのに、まさかあんなオンナ好きだとは思わなかったんだもん…。


「おはよう…」


朝から気分最悪のまんま、学校へ向かう。


教室へ入ると、イチバン仲良しの親友、優(ゆう)ちゃんが駆け寄ってきた。


「おはよう、愛梨。どしたー?元気ないねぇ?恋の悩みか?」
「……チガウ」