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「いらっしゃい兄ちゃん!
今日は何をお求めだい?」
「んー、着物を二枚頂戴!」
コレとコレ!
私は好きな柄の着物を選び、
呉服屋のおじちゃんに渡した。
「お!お目が高いねぇ兄ちゃんよ!
彼女さんに贈り物かい?
こいつは有名な職人が作った上物だよ」
「え?あ、そうそう。彼女にってね」
袴を履いているため、
私は男に見られているみたい←
その方がいろいろと都合がいいや←
おじちゃんにお勘定してもらい、
布に包んでもらっている時、
私は本来の目的を思い出した。
「おじちゃん、新撰組って知ってる?」
そうだよ、
着物買ってる場合じゃない!
すると、
おじちゃんは着物を布に包みながら、
「ああ、知ってるとも。
此処いらでは結構有名だし、
知らねぇ奴の方が少ないなぁ?」
兄ちゃん、知らねぇのか?
と、聞いてきた。
「うん、聞いた事あるのは名前くらいかなぁー?あ、あとその新撰組って何処にあるか知ってる?其処に用事があるんだけど…」
「兄ちゃん、あんな物騒な所に用があんのかい?」
私が聞くと、
おじちゃんは驚いた顔をした。
「??うん、まぁね?」
実際、私の方が断然物騒だけどね?←
…とは言えないけれど←
「壬生寺って知ってるかい?
そこに新撰組の屯所があるんだよ。
気ぃつけて行きな?」
そう言って、
そこの道を行くんだよ、と
親切に教えてくれた。
「ありがと!おじちゃん!また来るね〜」
私はおじちゃんに手を振り、
呉服屋を出て、
教えてくれた道の方へと向かった。

