「最近、人斬りが出てるらしいな。」
「ああ。何でも月夜の晩に、
鈴の音と共に現れるらしいぜ?
その音を聞いたら、もう、
あの世からのお迎えが来たって事だ。」
「おお、怖い怖い。
俺も人に恨まれないようにしねぇと。」
「ははは!そうだな!」
河原を通りすがった町民を
私は横目で見送った。
…。
「っくしゅん!」
…わぁ。
人に噂されたらくしゃみが出る、
って本当なんだ…
私はムズムズする鼻を擦りながら、
目の前を流れる川を眺めた。
夕暮れ時の太陽のオレンジ色が、
川面に反射してとても綺麗。
「ん〜っ!良く寝た!」
お昼からずっと河原で
お昼寝していた私は、
空に向かってぐーっと伸びをした。
「さて!
お仕事頑張りますか!」
一言気合を入れて、
寝っ転がってて乱れた着物を直し、
側に置いておいた愛刀を手にとった。
…毎回毎回、
着物を買い替えるのは面倒だけど…
まぁ、仕方ないよね!
そう言い聞かせて、
私は刀を持ち、
着物を膝上で斬り落とす。
これが私のお仕事スタイル←
丈が長いと、
刀が振るえないでしょ?
あ、ちなみに私のお仕事はねー、
『殺し屋』なんだ!
呼び名は『人斬りお鈴』
安い、バレない、スピーディ
が私の売りなんだよ!←
「んーと、今日は佐藤さん…」
私は依頼書を確認し、
標的のいる場所へと向かう。
ーーーさあ、
今日も月夜がやってくるーーー