明るくて、優しくて、可愛くて。
別世界の住人みたいな愛海と、あたしが仲良くなったきっかけ。
それは、高校に入学した日のことだった。
いつから友達と呼べる人がいなくなったのかは覚えていない。
ただ、中学を卒業した時には確実にそんな人はいなくて。
自然の流れのように入学した高校。
ここでも、そんな人は出来ないんだろうなって思ってた。
それでも、ひとりでいることは苦ではないし、人付き合いが苦手なあたしは、むしろその方が気が楽で。
不安や、不満なんて全くなかった。
初めて入る教室には、出席番号順に席に着くようにという指示。
あたしは指定された席に着いて、軽く説明をして出て行った担任の後ろ姿を追うように、教室の扉を何となく見てた。
すると、
トントン。
肩を軽く叩かれた感触。
振り返ると、後ろの席に座っていたのは女の子で、にこっと笑った。
「名前、みうって読むの?」
その子の手には、渡されたばかりのクラス名簿。
「あ……うん」
あたしが頷くと、
「すっごく綺麗な名前だね!」
その子は星が飛んできそうなくらいの、とびきりの笑顔で笑った。