やっぱり……思った通り。
愛海って、大胆なようで奥手だったりする。
「や、でも、個人的にって言われてるんでしょ? そこにあたしが行くのは、完全に邪魔なんじゃ……」
断る方向へと、何とか向かわせようとするけど、
「この前も言ったけど、涼くんたっくんと同じ大学なの。だから、ダブルデートって感じならいいかなって」
愛海の出した提案は、更に都合の悪いものだった。
「それはちょっと……」
「……だめ?」
さっきまでの勢いが、一瞬にして無くなって、しゅんとする。
愛海に犬のような耳が付いているとしたら、きっと垂れてる。
あたしはこの表情に、すこぶる弱い。
ダメだって、手の内だって、分かっている……のに、
「仕方ないなぁ……聞いてみる」
あたしが折れて返事すると、愛海は「わーい!」と、満面の笑みでバンザイした。



