頑なに口を閉じたまま、目を合わすことすらせずにいると、
「……ちゃんと仲直り出来たんじゃん」
櫻井くんは、さっきまでとは違う、静かな声で言った。
いきなり本題に入られて。
急に変わる雰囲気に、少し戸惑う。
だけど、ここで返事しなかったら、自分では話を切り出せない気がして、
こくん……と、ゆっくり頷いた。
そして、
「昨日、愛海の方から謝ってきてくれて、仲直りしたの」
伝えようと思っていたことを、少しずつ口にする。
あたしが今までしてきたことを、愛海は全て許してくれたこと。
本当の気持ちを、聞かせてくれたこと。
それから……。
「進路……なんだけど、あたし、音大に行ってみようと思う」
ハッキリした未来図は、まだ描けていないけど、あたしは歌うことが、音楽が好き。
だから、どうせ学ぶなら、そのことについて学んでみたいと思った。
そしてその中で、自分の未来が見えたらいいな……って。



