恋を知らない人魚姫。



「えっ?あたしは何もしてないよ」

謙遜して、愛海は両手を胸の前で振る。

何もしてないとか、そんなことない。
いつだって愛海は、あたしの道しるべ。

「詳しく聞きたいところだけど、じゃあそれはまたお昼にね!」

「ん、出来るだけ早く解放して貰えるように頑張る」

「頑張って!」


バイバイと大きく手を振って、自分の教室へと向かう愛海。

その姿に手を振って応えながら、見えなくなると一度静かに、息を吐いた。


愛海と仲直りした昨日から、急速に回り出した、あたしの日常。

立ち止まったまま、動けずにいた今までを取り戻そうとしているみたい。

疲れない……と言ったら嘘になるけど、動き出した感じ、前に進む感じは、悪くない。

昼休憩、あたしは第三希望まで書いた進路希望調査表を、先生に出して。

それから……


やらなきゃならないことが、もうひとつ。