恋を知らない人魚姫。


【話したいことがあります。
明日の放課後、図書室で待ってます】

ただそれだけのことを、メールで送ったのは、自信がないから。

好きだと自覚したものの、それは愛海に流されただけのような……そんな気も、しないではなくて。


だから、会ってからにしようとしたのは確認するため。

櫻井くんに対する自分の気持ちを、確認するため……。


そんなこと愛海に言えるはずもなくて、撫でられるがまま黙っていると、また少し誤解されたみたいで、

「大丈夫。絶対返事来るよ」

頭を撫でていた手を移動させ、肩をポンポンと軽く叩かれた。

そして、

「てか、いつの間にか海憂は、連絡先まで交換してたんだよね。いいなぁー」

くるっといきなり向きを変え、再び歩き出した愛海。

「えっ、ちょっ……」

心の中がざわっとして、慌てて愛海を追いかける。

後ろめたい気持ちが込み上げて、やだどうしよう……って、思った時だった。