普通の“友達”として、愛海を想う。
それは、ずっと願い、望んできたこと。

だから今、すごくすごく嬉しい……けど、ほんの少しだけ寂しいような気もした。


あたしが愛海に抱いていた気持ちは、本当に“恋”だったのか、今となっては分からない。

もしかしたら、憧れとか執着の先の感情だったのかもしれない。


でも、あたしはやっぱり……恋、していたんだと思う。

明るく優しい愛海に。
初めて笑顔を向けられたときから、ずっと。


そして、間違いなく言えること。

それは……。



「恋を教えてくれたのは、愛海だよ」



オレンジ色の夕日が差し込む、教室。

あたしは静かに目を閉じ、抱きしめた愛海に「ありがとう」と、呟いた。