変えると決めて、先生に報告するまでは早かった。

だけど、そこから。
じゃあどこにするか……っていうところが、決まらない。

「将来の夢とまでは言わないけど、何かやりたいこととか、興味のあることはないの?」

やりたいこと、興味のあること……。

少し考えてみて、『ないです』って答えが浮かぶ。
でも、さすがにそれは言えない。

閉じた口を開けられないあたしに、先生は少し困った様子で、小さなため息をついた。

そして、「あんまり急かしたくはないけど……」と、呟きながら引き出しを開けると、

「そろそろ決めないと、間に合わなくなるから」

あたしの目の前に、A4サイズくらいの茶封筒を差し出した。

ずっしり。
結構重いし、厚い。

中身……は、何となく分かるけど、チラッと確認してみると、“やっぱり”だった。

色んな大学のパンフレット。

「月城さんのレベルに合いそうなとこ、ピックアップしてみたから」

にっこりと笑って言う先生に、あたしは苦笑を浮かべ、頷くしかなかった。