恋を知らない人魚姫。


あたしが反省しているなら、一番来てはいけない場所、会ってはならない人。

……っていうか、本当なら会いたくなんて思わないはずの人。

ーーだけど。


「愛海に全部話した。そしたら……」

言葉が滲む。

さっきまで平気だったのに、口にしたとたん込み上げてくる感情。

「受け入れてもらえなかった?」

さらりと彼に続きを言われて。
我慢出来なくなったあたしは、両手で顔を覆って、頷いた。


“おかしい”
“女同士なのに”

“気持ち悪い”

愛海に言われた言葉達が、頭の中を離れない。

ずっと耳に響いたまま、あたしの心の居場所をなくす。


「受け入れてもらえるなんて思ってなかったけどっ……」

手を伸ばしたあの瞬間、許してくれるんじゃないかと思ったの。

行き過ぎた行動。
間違った愛情。

海憂の気持ちには応えられないけど……って、何だかんだで許してくれるんじゃないかと思った。