「あたしの好きは、愛海の好きとは違うの……」
もう我慢の限界だった。
ずっと隠してた、愛海への気持ち。
気付いて欲しくなかったのも事実だけど、気付いてもらえなければもらえないほど、自分を否定されているみたいで苦しかった。
「それ……って、恋愛対象として……ってこと?」
途切れ途切れの言葉が、愛海の心の中を表している。
困惑させてると知りながら、あたしはこくんと頷いた。
「愛海を取られたくなかったから、櫻井くんと付き合ってたの」
そう。取られたくなかった。
ずっとずっと、あたしだけのものでいて欲しかった。
「何、それ……」
キュッと、上履きと床の擦れる音。
「ごめん、意味わかんない」
言いながら、愛海は一歩、二歩と後ずさる。
「恋愛対象って何? おかしいよ、あたし達女同士なのに……」
顔を真っ青にして動揺する姿に、胸がズキンと痛む。
覚悟していた反応。
分かっていた反応……だけど。



