恋を知らない人魚姫。


「……何言ってるの?」

あたしは思わず目を丸くする。

だってそんなの、

「当たり前じゃない」

わざわざ聞かなくても、改めて言葉にしなくても、分かっているはずのこと。

なのに、返事を聞いた愛海は「そんなことない」と、言われるとでも思っていたのか、強張っていた表情をフッと緩めて、

「そうだよね……。そうだよね」

とても安心した様子で、微笑った。

そして、

「あたしも海憂のこと、一番の親友だと思ってるよ」

はにかみながらも嬉しそうに、そう教えてくれると、

「早くお弁当食べに行こう」

何も持っていない方のあたしの手をとって、にっこりと笑った。