あたしは俯いて、櫻井くんに向けた両手を落とすみたいに離した。
そして、
「あなたも結局……おかしいと思ってるんでしょ。あたしのこと、変だって思ってるんでしょ」
堪え切れず零れた言葉は、言いたかったものじゃない。
こんなことを言うために、ふたりっきりになったんじゃなくて。
別れてくれないこととか、呼び出したこととか、怒鳴って責めてやりたかった。
でも……それは苦しかったから。
櫻井くんの取った行動なんて、正直今はどうでもいい。
それよりも、あたしが一番こたえているのは……自分の気持ち。
愛海のことを諦めるって、応援するって決めたのに、全然出来ていなかった。
公園まで走って行ったあたしの気持ちは、美しい友情なんかじゃなくて……。
そうとも知らず無邪気に、友達としてあたしと接する愛海。
その姿を見ていると、自分がとても醜い生き物みたいに思えた。
生物として正しい感情を抱くことも出来ない……出来損ないの人間。



