これでもう3度目。
ここまで続けば、“もしかして”も確信へと変わる。
ある時から急にあたしへの態度がおかしくなった櫻井くん。
それは、睨んでいるのを見られた……あの時から。
面白がって余計なことを言われなくなったのはいいけれど、これはこれで怖い。
それに、心配してくれていたのも知らず、思いっきり睨みつけてしまったあたし……。
いくらメールに気付いていなかったとは言え、あの態度はなかった。
やっぱり怒ってるのかな……。
彼の背中を見つめるあたしが感じていたのは、罪悪感。
「見て見て!カクレクマノミ!可愛いーっ!」
チケットを買って、中に入って。
子供みたいに水槽に貼り付いて、笑顔を溢す愛海。
「あっ、この先は水中トンネルだって!」
ご飯を食べていた時は空元気だと言っていたけど、今は本当に楽しんでる気がする。
そんな姿に思わず微笑むと、
「行こ行こ!」
次の瞬間、愛海にぐんっと腕を掴まれた。



