え……。

何の躊躇いもなく、まるでちょっとした間違いを正すような指摘。

は?何で……?

頭の中が一瞬にして、真っ白になる。


「ほら、やっぱり」


頭上から降ってきた声に、ハッとして顔を上げると、

彼は不敵な笑みを浮かべて、あたしを見ていた。


そして、気付く。

この人に、どんな言い訳をしても無駄。

だって、この人は完全にあたしの気持ちに気付いてる――。


なら、

「何が……目的?」

聞くしかなかった。

櫻井くんがどうしてこんなことを言っているのか、あたしには見当もつかなくて。

だけど、ただ単にからかってるとか、多分そういうのじゃない。

だから、余計に分からない。


ゆっくりと開く、彼の口。

あたしは、言葉ひとつ聞き逃さないように身構えて、息を飲む。

ゆっくりと近付く彼の顔。
あたしの目の前でピタッと止まる。

そして、


「俺さ、月城さんに興味あるんだ。だから……俺と付き合ってよ」