「月城さんは、専門学校に行きたいんだったよね」
以前提出した進路希望調査用紙。
そのプリントを手に取って、わざとらしく明るく振る舞う先生。
だけどその直後、先生の表情は固まった。
「あなた……看護師になりたいの?」
声と一緒に向けられたのは、驚いた表情。
あたしが第一志望に挙げた進学先は、医療系の専門学校。
単純に考えたら、看護師を目指す……そういうことになる。
「何かおかしいですか?」
「ううん、そういうわけじゃないけど……」
言いながら、もう一度プリントへと目を向ける先生。
「成績的には何の問題もない。月城さんは優秀だし、大学だって選べるレベルよ。ただ……」
急に真面目になった声。
先生はそのまま、机の上に静かにプリントを置いて、
「看護師になりたいのなら、対人関係も大切にしなきゃ」
まるで子供に言い聞かせるみたいに、真っ直ぐあたしの目を見て言った。



