「それって、もしかして……」
眉を寄せ、いきなり下がった声のトーン。
心配そうな表情に、何を予想しているのかはだいたい分かる。
「進路指導だよ。今日最後になっちゃって」
その不安を掻き消すべく苦笑して言うと、愛海はホッとした様子で「そうなんだ」と、相づちを打った。
「いつ終わるか分かんないから、先に帰ってていいよ」
「分かった。じゃあアイスはまた今度ね」
すっかりいつもの調子で、明るく笑う愛海。
そんな会話をしていると、あっという間に体育館へ着いてしまい、クラスが違うあたし達は離れて、それぞれの場所へと並んだ。
生徒達よりも少し遅れて、ぞろぞろと入ってくるのは先生。
担任があたしの横を通り過ぎようとした時、不意に目が合った。
……いや、目を合わされた。
愛海にこのことで、心配かけさせるのは絶対嫌。
だから言わなかったけど、
本当は愛海の予想した通りだったりする――。



