「ごめんけど、それは……」
「喋らなくていいから!海憂は何も言わなくていいから……ただ、傍にいて欲しいの」
断ろうとしたあたしの言葉は、愛海の言葉によって遮られた。
櫻井くんに会うのは嫌。
だけど、“傍にいて欲しい”っていう言葉があたしを揺らす。
こんなこと言ってくれるのは愛海だけ。
あたしを必要としてくれるのは愛海だけ。
じっとあたしを見つめる愛海の目が、“お願い”って言ってる。
ここで断ったら、もう頼ってくれなくなるんじゃないの?
もう必要としてくれなくなるんじゃないの……?
突然、そんな恐怖に駆られて――。



