愛海の告白を手助けするために、3人で出掛けるとか気が重い。

「じゃあ、また放課後」

少しでも気を抜けば、一変してしまいそうな表情で笑顔を作り、屋上から一緒に降りて来た愛海に手を振った。

だけど、

「……」

「どうしたの?」

どういうわけか、浮かない表情を浮かべるのは愛海。

顔を覗き込むように声をかけると、

「海憂、ちょっと時間大丈夫……?」

「え……別に大丈夫だけど」

大きな瞳を揺らしながら、躊躇いがちに聞いてきた質問に首を傾げる。すると、

「お願い」

愛海はあたしの腕を両手でギュッと掴んで。


「たっくんに夏休みのこと、今から話するから……ついて来て欲しいの」

「……え?」


少し上目づかいのその目は、確信犯なのか。

守ってあげたくなるような表情に、何でも願いを叶えてあげたくなる。
愛海のことを好きなあたしは尚更……。

でも、こればっかりは簡単には頷けない。

だって、櫻井くんに会いたくない。