恐る恐る「何?」と声をかけると、

「海憂、お願い!手伝って!」

愛海は顔の前で両手を合わせた。

「……」

予想は出来てた。
何故なら、“応援する”って言い出したのはあたしだから。

そんなあたしに、拒否権なんてあるはずがない。

「何をすればいいの?」

重い口を開いてした返事。
それを聞いた愛海の表情は、パアッと明るくなって。


「あのねっ、夏休み中に3人で遊びに行きたいの!」


身を乗り出すほどの勢いで、そう言った。

キラキラした愛海の表情とは対照的に、あたしは目を丸くする。

だって……。

「3人でって、あたしと愛海と……櫻井くん?」

「うん」

「……何で?ふたりで行った方がいいんじゃないの?」

あたしとしては、もちろんふたりで出かけたりさせたくない。
だけど、愛海があたしを誘う意味が分からない。