愛海の気持ちが強くて揺るがないこと、それはその言葉ひとつで充分伝わった。
だけどそれでも、
「告白しちゃっていいの?」
もう一度問いかけて確認するあたしは、聞き分けが悪い。
「うん、早く告白してハッキリさせたい。じゃないと、このままじゃ受験にも集中出来ないし……」
「フラれたらフラれたで、勉強に集中すればいいしね」と、続けて苦笑する愛海。
「そう……」
表面では何ともない顔をするけど、心の奥はとても苦しい。
やめてよ。
告白なんてしないでよ。
今すぐにでも口に出したい本音。
でもそんなの、言えるはずがなくて。
「……いつ告白するの?」
静かに、愛海の考えていることに触れようとする。
すると愛海は待ってましたとばかりに、あたしの方に体を向けて、
「来週から夏休みでしょ?だから夏休み中にって、思うんだけど……」
そのままあたしをじっと見つめる。
上目遣いになったその表情はとても可愛い……けど、嫌な予感。



