このあたしの問いかけには、櫻井くんも驚いた様子で、
『そうだけど……』
声の感じがさっきとは違うものになる。
でも、そんなのお構いなしに、
「この関係に終わりは来るの?」
あたしは聞きたいことを、何の遠慮もなく質問した。
『……さぁ。月城さんが別れたいって言うんなら、今すぐにでも別れるよ?』
少し間を置いた櫻井くんの返事は、またあたしを試すようなものになっていて……。
きっと、この関係が嫌でこんな発言をしてると思ったんだろう。
だけど、真逆。
「別れたくない」
あたしははっきりと櫻井くんに言った。
大嫌いな彼に電話をかけたのは、これを伝えるため。
大嫌いな彼と別れたくないのは、愛海と付き合わせないため。
愛海から告白すると聞かされたあたしは、ふたりが付き合う未来が来ないようにって、必死だった――。