ぎゅうっと押しつぶされて、張り裂けてしまいそうな心。
自然と上がってしまいそうになる呼吸を必死に整える。
そんなあたしの気も知らず、
「ダメかもしれないけど頑張る。このままじゃ受験に身も入んないしね」
と、照れ隠しみたいに愛海は笑った。
愛海が告白してダメなわけがない。
だって櫻井くんもきっと……愛海のことを好きだと思うから。
そのことをあたしが伝えたら、愛海はどんなに喜ぶだろう。
同時にあたしの疑いも完全に消えるはず……。
そうと分かっていても、とても口に出来なかった。
それどころか――。
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