家に戻ったあたしは、「ただいま」も言わず、自分の部屋に飛び込んで。

そして。

バサッ、バサバサッ……。

何かに取り付かれたように、本棚から目に付いたものを、抜いては床に落としていく。

そこは本じゃなく、学校関連のものを並べていた区画。

1年生の時の合宿のパンフレット、生徒集会、委員会のプリント……。

名前が書いてありそうなものは全部……全部。


もしかしたら、同じ中学かも。

そう思って、中学の卒業アルバムに手を伸ばしたところで、あたしは動きを止めた。


何、やってんの……?


ゆっくりと視線を床に落とす。

そこには、散乱した紙切れ達。

自分が何をしていたか、それは自分が一番良く分かっている。


捜そうと思った。

“櫻井くん”を……。