どんなに願っても、願っても、私を幸せにしてくれる優しい声を聞くことも、笑顔を見ることもできない。


脳死状態になってしまった妹の鈴菜が寝ているから。


私がこの世でたった一つ、どんなものを引き換えにしても叶えたいこと。


それは、元気な鈴菜を返してもらうことだった。